壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第17回≫

いつの間にかお互いの存在を感じるようになって、ふとおばさんが話しかけてきた時もなんだか始めて言葉を交わしたような気にはならなかった。お互いの精神状態も、肉体的な疲労も、息づかいさえもあからさまな状態で既に一時間半以上は時を刻んでいたからだ。

おばさんの『ひとりで来たんですか?』から会話は10数分続いた。一通り私のこれまで歩んできた富士山登山について話しをし、この夫婦も当初は私と同じ吉田口(北口本宮富士浅間神社)からの登山をしようと一度北口本宮富士浅間神社まで行ったもののきつそうなので河口湖口五合目まで車で上がって富士山登山を開始したそうだ。富士山登山も初めてで奈良県から訪れたとのことであった。

頂上までどれくらいかかるのか、この先どんな登山道になるのか、山小屋はどうなっているのか、お風呂はあるのかなど様々な質問にひとつ一つ答えその10数分は過ぎた。

また一人での登山は再開した。日もだいぶ落ち始めまずは明るいうちに山小屋『砂走口江戸屋山』まで到達はギリギリの状況であった。

その後も途中から交流始めた夫婦と抜きつ、抜かれつしながらその度に簡単な言葉を交わしながらの七合目をめざしていた。登山道は進むにつれ斜度もきつくなり、登坂スピードも落ちる一方であったがその夫婦とはほぼ重なり合いながら富士山登山の道程を辿った。

七合目の最初の山小屋『 花小屋 』が目の前に見えてきた。あそこまで着いて標高は2700メートル。山頂までは残すところ1076メートルとなる。七合目は山小屋が密集しており水分の調達や、食料の調達も可能も容易に可能だ。15分の登坂ごとに次の山小屋に到達する。

≪七合目山小屋連絡先≫
花小屋(定員:200名)
連絡先:0555-24-6523/0555-22-2208

日の出小屋(定員:200名)
連絡先:0555-24-6522/0555-22-0396

七合目トモエ館(定員:300)
連絡先:0555-24-6521/0555-22-0589

鎌岩館(定員:200名)
連絡先:0555-24-6520/0555-22-2383

富士一館(定員:200名)
連絡先:0555-24-6519/0555-22-1397

鳥居荘(定員:300名)
連絡先:0555-24-6518/0555-84-2050

東洋館(定員:500名)
連絡先:0555-24-6517/0555-22-1040

山小屋を一つ越えるごとに登山客は減りだす。既に今宵の宿に到着しているためである。すれ違いながら登る夫婦もそろそろ宿を探しているようだ。立ち止まって休んでいると夫婦が私に追いつき横で休憩をとりはじめた。                                 次回へ続く・・・