壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

~20年連続富士山登山~ Vol.02

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~20年連続富士山登山~ Vol.02

自宅を出発したのが9時40分、圏央道に乗るといつもの事だが渋滞皆無で関越道の鶴ケ島JCまで、ここを超えると車が増えだすものの渋滞するほどではない。

数十分進み、八王子の中央道とのJC手前数キロから山梨県方面に向かう車線は渋滞だ。
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中央道に入るまで20分以上掛かったと思う。
中央道合流後暫くは流れは徐行程度だが徐々に流れを取り戻す。
一度流れ出すとそのまま流れるのが中央道、順調に大月JCから河口湖方面へ。
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基本的に高速では抜かれないが、この日は都留IC手前で黒のBMWに抜かれた。
BMWに追い越される前に追越車線から走行車線に移ると瞬殺された。160キロは出ていただろう。
すぐさま俺の二台前の車が走行車線から追越車線に出て行った。

制限時速は80キロ…

都留ICを超えた頃高速道路の左端の路肩には黒のBMW
手のひら大の赤いシグナルを回した車が止まっていた………。

赤いシグナルを見てしまうと自然とアクセルの踏み込みは弱くなる。

順調に河口湖ICを下りる。
須走口を目指すので本来は河口湖ICも直進で『須走口IC』まで向かうのだが、
俺たちは富士山登山の前には北口本宮浅間神社で安全祈願のお参りを習慣としている。
今日も習慣に則って北口本宮浅間神社に立ち寄らせて頂く。

河口湖ICを下りてスバルライン方面とは逆、左の山中湖方面に向かうと10分程で北口本宮浅間神社に到着する。
道も真っ直ぐなので迷ったり、間違える心配はない。

登山前の安全祈願の登山者もいるが大半は観光客だ。ここに足を運ぶ度に参拝者は増えている。
これも富士山ブームの影響か。

長い杉並木道の参道を進と朱に塗られた巨大な門が聳えているのが目に入ってくる。
こんなに巨大な門は他でお目にかかった事がない。
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何度目にしても圧倒する迫力がある。

門をくぐり抜けると本殿が正面に見えてくる。
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一瞬鳥肌がたつ。
これが最近よく耳にするパワースポット効果なのか。
確かに北口本宮浅間神社もパワースポットとしても知られている。


本殿全体見渡せるようになると左手に竜の口から流れ出た富士山の湧き水をたたえている水場がある。
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ここで飲む湧き水はいつ来ても美味い。冷えていてどこまでも透き通った味だ。
軽く喉を潤し両手に交互に湧き水をヒシャクで掛ける。お清めだが冷えた湧き水は非常に気持ちいい。
お清めを済ませ本殿に向かう。いつもの事だが階段が狭い?小さい?なので登りづらい。
登りきると静寂に包まれた空間が目の前に姿を現す。凜となる瞬間だ。
2礼2拍手1礼が正式なスタイルだが俺はそんな形式ばったスタイルに拘る必要はないと思う。
気持ちを、魂を注入出来ればそれで良いはずだ。
余談だがお葬式の焼香なども
『どうやってやるんだろう』
『間違わないでできるかな』
だけ考えて頭の中が一杯なって結局気持ちも魂を込めることが出来ないまま焼香を済ませる人もいる。
大事なのはスタイルなの?
気持ちなの?

しっかり考えてな。

気持ちを込めて参拝した後本殿の右奥に最も大切にしている、吉田口登山道の出発点となる門がある。
イメージ 7門には『冨士山』と書かれている。
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富士山登山は殆ど5合目からスタートするが、じゃあ4合目、3合目などはどこにあるのか。
また、0合目はどこなのか。
この門が富士山0合目なのだ。つまり正真正銘富士山登山の旅路はここから始まるのだ。

長谷川角行、伊藤身禄、村上光清の名が刻んである。云わずと知れたそうそうたる富士山信仰の祖だ。
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俺はこの場所が兎に角好きだ。不思議な空間だ、安らぐ。

ここでも富士山登山の安全を祈願して参拝する。此処での参拝が一番自分の中では重要だ。
俺の周りをスズメバチが飛び回っているが無視して参拝もやや精神的に集中出来ず。

若干の不安を残す参拝となったが富士山須走口5合目も目指して出発する。
すぐに山中湖湖畔が左に見えてくる。夏休み最後の週末ということもあって沢山の人達が訪れていた。
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山中湖の少し先のセブンイレブンで買い出しだ。パン、おにぎり、ジュースを買った。
今回はカメラだけで2キロ以上あるので荷物は極力少なくということで必要最小限。
足りないものは山小屋で買えばいいからいつもの半分程の買い足しだけに留める。。

富士あざみのラインを右折。真っ直ぐ進んで突き当たればそこが富士山須走口五合目だ。
駐車場は小さいので五合目の駐車場手前3キロ位から道路脇の路駐車両が目立ち始める。
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どの車も五合目の駐車場に停められず苦肉の路駐だ。
しかしこれらは違法な路駐ではなく五合目の駐車場が満車の時は許可されているのご安心。

五合目の駐車場が近付くにつれ富士あざみのラインの下り車線は路駐の車で埋め尽くされ下ってくるバスや車と
五合目に向かって上っていく車がすれ違えず譲り合い、立ち往生しながらお互い進む。

五合目の駐車場が近付くにつれ我々の先を行く車も路駐の切れ間を見つけるとそこに車を収めていきだした。

『こんな所に駐車したら五合目まで上がるだけで疲れちまうな。下山の時は更に厳しい…よな』

だから我々は少しでも上を目指す。五合目の駐車場に着いた。
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停めるまで相当の時間を要す事を覚悟の上で五合目の駐車場を選んだ。
駐車場入り口の誘導員の指示のまま一番上の第3駐車場へ車を回す。
ちょっと左右の車にバランス悪く幅寄せされ、ドアの開閉すら支障をきたす一台分のスペースが空いていた。
このスペースの前でどの車も一度止まりかけるが、
狭いスペースと自分の車のサイズを頭で描き、計算した上で通り過ぎていく。

我々の前にもそのスペースが回ってきた。
計算もせず迷わず停めた。

この日のこの状況下で奇跡のようなスムーズな富士山須走口五合目到着であった。

ドア開けるのも一苦労ではあったが無事到着だ。
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車を下りるとすでに肌寒い。標高2000メートルでは長袖が既に必要な気温だ。

一応予定スケジュールでは五合目出発は14:30なのでまだ2時間以上もある。
駐車場内をウロウロ、ウロウロ。
奥にブルドーザーが二台整備されている。きっと朝、五合目を出発し山頂までの荷揚げを終えて戻ってきたブルドーザーだろう。
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整備している人に声をかけてみた。

『このブルドーザーは何年位使ってるんですか?』

『そうだな、20~30年は使っているな!』

『20年も使っているんですか?』

『20年は間違いなく使ってるよ!』

自分にとって20年以上か、以下かは最も重要で20年以上であるということは
即ち私が初めて富士山に来たときに乗ったブルドーザーである可能性が高い。
きっとこいつに乗って山小屋まで連れて行かれたのだろうと思うとあの日の記憶が蘇ってくる。

しばらくぼーっと眺めていた。整備している2人の技術は怪しげに俺をちらっちらと盗み見している。

しばしの追憶から現実に戻り、車に戻ろうとすると、あろうことかあの日と同じ旅館『江戸屋』のパンが停まっている。
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紛れもなく旅館『江戸屋』からここに運ばれてきたときにのった旅館『江戸屋』のパンだ。
まるで20年前の自分が現れてきそうな錯覚すら覚える。

朝、日の出前の肌寒い中俺は約束の時間の10分前から旅館『江戸屋』の入り口前で迎えに
来る車を待った。時間通りにパンは用意され、その助手席に乗り、この地まで運ばれ、
ここですぐ横のブルドーザーに乗ったのだ。
 
Vol.3へ続く