『富士山頂』
『富士山頂』
『富士山頂』の主人公は葛木章一(藤原寛人)は作者、新田次郎本人である。
2006年まで富士山山頂の剣が峰に設置されていた『富士山レーダー』設置事業の
責任者として参加している。
責任者として参加している。
責任者の作者ならではの事細かな描写が手に汗を握らされる。
当時の日本は台風の度に大きな被害を被った。
その『台風の砦』として『富士山レーダー』の必要性は高まった。
半径800㎞を掌握できる『富士山レーダー』は大きな活躍が予想された。
しかし総工費2億4000万円という予算が通らず気象庁は苦慮していた。
この予算組みから山頂観測所の完成までを作者新田次郎は担った男だ。
彼以上に『富士山レーダー』を裏側を知りうるもののいないであろう。
葛木章一の『富士山レーダー』にかける思いに共感させられる一冊だ。