壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第32回≫

下からどんどん元気の良い登山者が登ってくる。すれ違いながら皆、ちらっとこちらに視線を送る。疲れ果てている3人を哀れむような視線だ。

確かに体はボロボロだけど凄く充実しているぞ私は!。

既に我々三人の富士山登山の終点、五合目の山小屋が目に入ってきている。いつの間にか私たちの前に奥さんが出た。見る見るスピードが上がって行く。私たちはそのスピードに付いていけなかった。50メートル程前で止まってこっちを見ている。

遅いよお二人さんと言わんばかりの表情だ。



『奥さんは凄いですね(笑)』

『そうだね凄いね(笑)』



三人は富士山登山をまさに満喫して終えることが出来た。




五合目から北口本宮浅間神社まで送ってもらい最後の別れの時が来た。




『本当に有難う御座いました。かなりバテていたので助かりました』


『何言ってるのよ、私たちこそ本当に有難うだよ。あなたに逢わなければ私たちは頂上まで行けなかったわ。』


『そうだよ、本当に有難うね。不思議な縁だけど、きっと必然的な出会いだたんだよ私たちは』





『そうですね。きっと』


『いろいろお世話になりましたし、一生の思い出が出来ました。』


『私たちは今から八ヶ岳の山荘に泊まって、明日帰るわ奈良に、あなたは?』




『俺っすか・・、朝から仕事っすよ!(笑) ・・・』





ご夫婦から最後に頂いた二つの桃は冷蔵庫で冷やして頂きました。


世界で一番おいしい、思い出の沢山詰まった二つの桃でした。

                                                                                     おしまい・・・・