壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第30回≫

四人連れの家族と別れ、先に五合目を目指す。

たぶんあの家族は我々3人を家族連れだと思っているんだろうなのど余計なことを考えながら歩いていた。下山時は旦那さんの横を話しながら歩いていた。少し後ろを奥さんが付いて来る。ときどき
『ねえ、ちょっと休みましょうよ』
相変わらずだ。その都度ちょっとだけ休憩をとる。

たまには『ねえ、ちょっと休みましょうよ』の声を聞こえないふりををしたりする。

旦那さんは奥さんと比べて口数は少ないが鉱物に関して興味が在り富士山に転がっている石に非常に興味を持って時々立ち止まり石を手にして眺めている。会話も鉱物に関してのことがメインだ。昔は本当に鉱物に関して興味が深く、勉強していたそうだ。いくつも面白い話をしていただいた。話に夢中になっているとかなり遠くから『ちょっと休みましょうよ』の声が聞こえてくる。振り返ると100メートルほど遅れて歩いていた。立ち止まり追いつくのを待っていると我々の体力は既に回復している。

あたりの木々も緑となり、時折アブが飛び回る。ずっと先に視線を伸ばすと河口湖口登山道から土曜日、日曜日を利用して富士登山に挑戦する団体客が沢山見えてきた。人それぞれ十人十色の思い出を、忘れられない出逢いをきっと掴んで私の歩んでいるこの下山道を明日のこの時間には歩んでいるのだろう。苦しさ、楽しさだけでなく、友情、感動、時として愛情を感じながらこの道を歩んでいるはずだ。

頑張れよ君たち、負けるなよ、諦めるなよ、助け合って成し遂げてくれよ・・・


六合目の合流地点安全指導センターまで来ると林間学校なのかちびっこが団体で座っている、そのほかにも団体だらけであった。個人で登ってきている小グループも全く疲労の色が見えなく、はしゃぎ回っている。

本来私はここで吉田口方面に向うが、来た道とは違う河口湖口方面に進んでいった。

安全指導センターの横には見慣れたというか、非常にお世話になった白黒のスズキジムニーが停まっていた。
                                                                                     次回へ続く・・・