壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第29回≫

しばらく七合目のトイレ横で休憩をとっていると、上から見覚えのある四人の家族連れが下りてきた。
元気のいい家族で両親は、私の同行者と年はほぼ一緒であった。登山道の七合目から八合目辺りまでほぼ同じ時を、同じ地点で迎えていた。

大きな声で『こんにちわっ、また会いましたね。山頂まで行けましたか? 』

彼は20代後半から30代ほどで、すぐ後ろにはそれよりも3つ、4つ若い弟がこちらも元気よく下りてくる。

『行って来たよ、でもあんた達本当に元気ね』と私の同行者の奥さんも元気に応えていた。
『あんたたちのご両親は?』
『今下りてきますよ、まだ上のほうです。あそこにいます』

指し示した指先を辿るとお父さんの横に心配そうに付き添っている奥さんが見えてきた。
足の運びからみて疲労が完全に足腰にきている。ふらつきながらゆっくり下りてくる。近くまで下りてきてようやく私たちが目に入ったのか急に笑顔で足の運びも快調になったように感じた。

それからここまでの苦労話や、お互いが感じた富士山について語り合った。時間はあっという間に過ぎていった。

『そろそろ私たちは出発しましょう!』と声をかけると、
『じゃあ記念撮影しましょう』と四人連れの一番元気なお兄さんがデジタル一眼レフを構えた。
 数枚のシャッターが落ちた。

この写真は私の知らない所で大切な思い出として残されていくんだろう。


重たいザックを背負い上げて腰のバックルを止めると、

『五合目まで一緒に下りましょうよ』『五合目の駐車場から北口本宮富士浅間神社まで車でお送りしますよ』

『そうしますか、では頑張って行きましょう』

三人の富士山登山は少しだけ長くなった。
                                                                                      次回へ続く・・・