富士山登山2018 富士宮口編 第二話 ~ 2018年7月25日(水)~
富士山登山2018
富士宮口編
第二話
~ 2018年7月25日(水)~
よって、もっとも容易に登る事が出来る登山道との認識を強く持たれているが、それは違う。
どこの登山口だって利害関係を有するものがいるから、自分とこの登山口に人を集めたい、その気持ちは理解できる。
だから、一番登りやすいと言うフレーズがついて回る富士宮口だが、甘く見てはいけない。
ここ富士宮口の登山道は遊びがない。登山道を入るといきなり登山開始となる。
はじめは緩やかな登りから徐々に急勾配へと移行するなんてことは全くなく、いきなり汗が噴出す。
特に九合五勺から上は、両足だけでは登る事が出来ず、杖や手を使いながらでないと上がれないほどの大きな岩がゴロゴロしている。
大人でも岩を登るのにギリギリ足が届くほどの岩に、子供の小さな足では届かせるのが困難で体力を一気に奪っていく。
朝食を済ませ、6:40五合目から六合目を目指す。
階段状の登山道を登り少しすると公衆トイレ、
そこから先はやや緩やかに『雲海荘』、『宝永山荘』のある六合目までと登山道が続く。
ここまでは比較的楽ちんだ。
7:12、六合目に到着、ここで標高は2,490m。
小休止を入れて7:15新七合目に向かって出発。
子供たちも至って元気。
富士宮口の各合までの難易度を簡単に示すとこんな感じ。
五合目(標高2,400m)~★☆☆☆☆~六合目(標高2,490m)
六合目(標高2,490m)~★★☆☆☆~新七合目(標高2,790m)
新七合目(標高2,790m)~★★☆☆☆~七合目(標高3,030m)
七合目(標高3,030m)~★★★☆☆~八合目(標高3,230m)
八合目(標高3,230m)~★★★★☆~九合目(標高3,400m)
九合目(標高3,400m)~★★★★☆~九合五勺(標高3,590m)
九合五勺(標高3,590m)~★★★★★~富士宮口山頂(標高3,710m)
富士宮口山頂(標高3,710m)~★★★★★~剣ヶ峰(標高3,776m)
剣ヶ峰(標高3,776m)~★★☆☆☆~富士宮口山頂(標高3,710m)
新七合目から七合目に向かう中で早ければ高山病の症状が出始める標高となる。
今までの経験上3,000~3,200mが高山病の境目のように思っている。
登りも徐々に厳しくなりはじめた。
新七合目に到着したのは8:14、まずまずのペースで登ってこれている。
富士山登山のフォーメーションは以下のようになっている。
俺-次男-長男-かみさん
次第に、
俺-次男--長男-かみさん
俺-次男---長男-かみさん
と、変わっていった。
しばらく休憩。
長男の疲労が溜まり始め、ペースに着いてこれなくなってきた。
全体のぺ-スを落とし、七合目へと進む。
この辺りまで来ると山頂御来光を終えた登山者がまとまって下りてくる。
富士宮口は他の登山ルート(吉田口ルート、須走口ルート、御殿場口ルート)と違い、登りも下りも同じ登山道を通ることとなる。
他のルートは登山専用道、下山専用道となるので登る人、下る人は別々の道を歩くようになる。
今日は夏休み期間中ではあるが平日ということもあって登山者は少ない。
それでもすれ違う場合、譲りあわなくてはいけないところもあり、立ち止まらなければいけないこともある。
週末なんかは譲り合いの渋滞が起きて、倍以上の所要時間となることもある。
富士山登山は登り優先となるので、譲るのは基本下山者となる。
なすびさんも同行していた。
俺のプロトレックのとのズレは10m、結構優秀。
長男の疲労が蓄積されていく中、次男は元気そのものでペースが落ちることはなく黙々と登っている。
9:13、無事標高3,030mの七合目に全員で到着した。
しばらく休憩する。
長男は疲労が出始めているが高山病も出ていない。
次男は全く問題なし、高山病も全くないと言っている。
ここまで標高で約600m登ってきた事となる。
山頂まではあと約700m。
ここから山頂を目にすることはできないが、八合目まで上がれば山頂は見渡せるようになる。
ここまでは予定していた所要時間を上回る時間で登ってこれている。
しばらく休んでから、標高3,230mの八合目を目指す。
長男の疲労が大きく蓄積し、登山速度を落とすかなと思っていたが、一定のペースで登ってこれている。
次男は言葉数は少なくなってきたが、黙々と登っている。
登るにつれ、小休止の回数は増えてきたが順調に高度は稼げている。
ペースはやや落としてはいるものの、
俺-次男-長男-かみさんの列はコンパクトにまとまって進めている。
八合目に到着したのは10:10、ここでも予定していた到着時間を上回っている。
なかなか大したものだ。
ただ、富士宮口ルートの八合目から上、更に九合目から上は益々きつくなる事は知っているので、ここまでどの程度力を余して、余力を残せているかで今後の展開は大きく変わってくる。
少し長めな休憩を取った。