壬生狼一家

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▲富士山1人死亡 3トンの岩600メートル転落▲

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▲読売新聞▲

県「想定外の事故」 死者、98年以来7~8月に多発


落石がキャンピングカーを直撃し、1人が死亡した現場で行われる実況見分(14日正午頃、富士山新五合目駐車場で)  富士宮市粟倉の富士山新五合目で13日夜、落石がキャンピングカーを直撃し、車内にいた筒井良孝さん(68)(奈良県三郷町)が死亡した事故で、石は標高約3000メートル付近から約600メートル落ちてきたとみられることが県の調査でわかった。石の大きさは直径約1・2メートル、重さ約3トン(県推定)。直撃を受けたキャンピングカーはキャビンの部分にぽっかりと大きな穴が開き、関係者は考えられない事故に言葉を失っていた。

◎「爆発音のよう」

 事故があった駐車場は、富士山の富士宮口登山道の入り口(標高約2400メートル)にある。筒井さんのキャンピングカーは山側に向かって斜めに止まり、すぐ前に落石防護用のフェンス(高さ3メートル)があった。石はフェンスを突き破り、キャンピングカー後部のキャビンを貫通。さらに7メートル離れたところにとまっていた神奈川県相模原市の男性(65)の乗用車と花壇のフェンスを破損してようやく止まった。

 駐車場に隣接するレストハウス「表富士宮口五合目」管理人の大塚信広さん(45)は、「何かが爆発したような大きな音がした。風が強かったので看板か何かが飛んだのかと思ったが、石だったとは」と信じられない様子で語った。また、乗用車に石が衝突した相模原市の男性は14日朝、山上から現場に下山して初めて事故を知り、「下りてきてびっくりした。フェンスがあまりに弱い。しっかりしたものでないと再び起きる」と話していた。

◎登山道閉鎖せず

 事故を受け、駐車場を管理する県の梅田利寛道路局長らは14日夕、県庁で記者会見。梅田局長によると、駐車場と斜面との間にあるフェンスは鋼製で、30~40メートルの標高差がある斜面を約300キロの石が落ちてきても耐えられるよう設計してあるという。

 ただ、今回落ちた石の重さは想定と比べ10倍、落ちた高低差も20倍と、いずれも想定をはるかに上回った。石は斜面を約600メートル、バウンドしながら相当の勢いで転がり落ち、フェンスはひとたまりもなかったとみられる。会見で梅田局長らは「想定外だった。原因は風や雨、雪解けなどいろいろ考えられる。これから専門家とともに調べる」と繰り返した。

 富士宮口登山道は残雪のため全面開通が遅れていたが、14日午前0時で規制が解除された。特に18日からの3連休には多数の登山者が訪れるとみられることから、県は当面、事故があった駐車場(約300台収容)を使用禁止として安全確保に努める一方、登山道自体は、パトロールを強化したうえで閉鎖はしない方針だ。

◎5合目「珍しい」

 県警によると、富士山での落石事故は、静岡県側では1989年以降、今回の事故を含め8件あり、すべて雪解け直後で地盤が緩む7~8月に発生している。静岡県側で落石により死者が出たのは、98年8月に女性が頂上付近で直径約1メートルの落石に当たって死亡して以来という。県警山岳遭難救助隊の真田喜義隊長によると、富士山での落石は傾斜が急な8合目から頂上付近にかけて起きることが多く、5合目付近での落石事故は極めて珍しいという。真田隊長は「普通の落石なら5合目までは落ちず、途中で止まる。フェンスを突き破ったのは初めてではないか。石が相当加速していたのだろう」と話していた。

(2009年7月15日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20090714-OYT8T01085.htm?from=nwlb