壬生狼一家

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ひと・しずおか:富士山登頂通算603回、実川欣伸さん

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ひと・しずおか:富士山登頂通算603回、実川欣伸さん /静岡

 ◇7大陸最高峰、制覇が夢--実川欣伸(じつかわ・よしのぶ)さん(65)
 腹が切り裂かれるように痛み、「もう断念しよう」と何度も思う。だが、あと一歩だけと足を前に出し続け、やっとの思いでたどりつく--山頂だ。

 過酷な条件を課して富士山を登る登山家として知られる。昨年は248回登り、通算登頂回数は603回。昨年6月30日から9月25日までは連続88日登頂し、うち75日は1日に2往復した。登頂記録を付けている富士宮口新6合目の宝永山荘によると、登頂回数は世界最高だという。

 「雨上がり、湯上がりの人間のように山肌が輝く。何回も登らないとその魅力は分からない」と、富士山にとりつかれた理由を説明する。

 中学時代から山登りを始め、三島市の会社に就職後も続けた。85年に富士山に初めて登ったが、本格挑戦は93年から。90年ごろから、年5、6回会社の中国人実習生を富士山に案内するようになり、同僚に「登頂記録に挑戦してみたら」と勧められたのがきっかけだった。

 93年夏、約30時間不眠不休で、山頂と富士宮口5合目(標高2400メートル)を5往復した。極度の疲労で、岩がカニのように歩き出す幻覚を見ながらの成功。「他人がやっていないことができた達成感と喜びがわいた」。以来、さまざまな富士山登頂に挑戦してきた。

 静岡県側の四つの登山道を連続して上り下りする一筆登山。東京駅から徒歩での登頂や、新潟県の親不知海岸からアルプス山脈を越えて富士山に登り、最後は沼津市の千本浜に下りる日本横断登山にも成功した。「過酷だけど、ここまでできたという自信につながる。仕事の支えにもなった」という。

 00年から夢だった海外挑戦も始めた。アフリカ最高峰のキリマンジャロを含む6大陸の最高峰を制覇し、残るはエベレストだけ。「金銭的にエベレスト登頂は難しいが、夢を持つことが大事。20歳の時にキリマンジャロに登りたいと思ったからこそ、今がある」。65歳の今も気力は衰えない。【山田毅】

静岡新聞
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20090107ddlk22070173000c.html

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