壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第13回≫

四合目を越えるとなにか様々な石碑や建造物が目に入ってくる。一つ一つ足を止めじっくり見入る。
朽ちかけている石碑は、石燈篭も非常に興味を掻き立てる。いつ造られたのか、何のために造られたのか・・・。

今まで登り続けてきた富士山がこれほど私の好奇心に刺激を与えるとは思ってもいなかった。
今までで一番大変な富士登山であるし、もっときつい状況がやってくるだろうが成し遂げてやるという強い気持ちには迷いはなかった。


富士山登山が始まり五時間経つが始めて日差しが私まで届いた。雲海の上に出たようだ。
不思議と日光というものは疲労した心と体が元気を取り戻してくれる。
急に気温も上がりはじめ暑い。『夏山登山っ!!』って感じになってきた。

虫も多くなってきた。北口本宮浅間神社を出たばかりの頃にはスズメバチが時折やってきて恐怖心を感じたり、小さな芋虫のようなものがいつのまにか服に付いていたりしたが四合目を越え、天気も回復し気温が上がるとアブや小さな蜂が私の周りに集まってきてブンブン飛び回ってくる。また木々の葉に付いた虫もザックが当り落ちてくる。

虫があまり得意でない私は一刻も早く六合目の河口湖口登山道との合流を目指していた。そこまで上がれば虫は極端に減るからだ。

ようやく上方に佐藤小屋が目に入ってきた。『よしっ!』

更に日差しが強くなる中、佐藤小屋に到着し暫し下界の景色を眺めながら小休止を取る。標高は2300メートル。
遥か遠くに河口湖口登山道から団体が登ってくるのが目に入る。これからは一人旅ではなく、様々な登山客に混じっての登山が始まる。

どんな出逢いがそこにあるのか、それも富士山登山の楽しみの一つである。


※五合手前でようやくデジカメをデジタル一眼レフに切り替えた。それまでは霧の中ということもあって通常のデジカメを使用していた。