~20年連続富士山登山~ Vol.11 最終回
~20年連続富士山登山~ Vol.11
こんなにも眠るということに苦労した経験は多分ないような気がする。
既に44時間睡眠から遠ざかっている。
このまま富士山での睡眠は0で終えるのかと思いながら目を瞑り横になっていた。
既に44時間睡眠から遠ざかっている。
このまま富士山での睡眠は0で終えるのかと思いながら目を瞑り横になっていた。
足を引っ張られる感覚を覚え目を覚ました。
『ご来光始まるぞ』
外は既に明るくなり始めていた。
何時間だったのかは分からない。しかし数時間の睡眠にはありつけた。
眠気が体中に充満し、体にも眠る前以上のけだるさがある。
正直、このまま眠っていたい。
『今日のご来光はどうっすか』
『いいんじゃん』
一層のこと曇っててくれたら寝てられるのに、何てどうしようもないことが浮かぶ寝起きだ。
ダウンジャケットを羽織りカメラを首に下げて外にでる。
眠たくてフラつきながらいつもの場所に移動する。
昨日以上のご来光となった。残された撮影枚数200枚を一気に撮り終えた。
(この日のご来光はカメラの設定ミスで全ておじゃん)
どうにもならない画像ですがUPしてはおきました。
ご来光の撮影を終え山小屋に戻ると、下山の準備に取りかかる。
登りと違いEOSはザックの中へ。
コンパクトデジカメだけポケットにいれる。
これで首は劇的に楽になった。
ここで江戸屋の内部を画像にてご案内。
★ここからの4枚は所謂食堂的なスペース、食事時はこちらにテーブルを並べ食事をします。★
★次の二枚は2食付で宿泊された方が朝山小屋から戴く朝食のお弁当★
★続いてトイレのご案内です★
★最後に寝床のご案内★
登山靴を履き、山小屋の皆様に2日間のお礼を言って『須走口江戸屋』を後にする。
この瞬間はいつも切なく感じる。
山小屋を出て数十メートル進とすぐに河口湖口方面下山道と須走口方面下山道の分岐点がある。
我々は下山速度は非常に速い。
しかし今回は写真を撮りながらなのでペースはのんびりしたものだ。
すでに一眼レフはザックの中、コンパクトデジカメでの撮影だ。
それゆえパシパシ軽く写しながら高度を下げていく。
それゆえパシパシ軽く写しながら高度を下げていく。
しばらく歩いてから頂上方面を見上げると『須走口江戸屋』はかなり遠くになっていた。
下山は儚い、本当にあっけない。
前方を行く登山者を次から次へ追い越していく。
その間に何度となく立ち止まっては写真を撮る。
下界の山中湖が近くに見えるようになってくると気温が上がり始めて汗ばむようになってきた。
富士山登山の終焉が近付いてきてしまった。
本五合目の到着までに1時間を要さなかった。
本五合目を過ぎると林道に入る。細かな虫が沢山飛んでいて進みづらい。
日向には細かな虫はいないが林道の日陰に入った途端沢山飛んでいる。
足元には地表を這うように木の根が覆っている。こ
のあたりの地盤は全て溶岩なので根は地中に潜っていかない。
今年なんかのテレビ番組見ていたら偉そうなオッサンが
『昨今の富士山登山ブームで環境に大きな被害を与えている。
この根を見て下さい。
予想以上の登山者がここ富士山に訪れ、
その登山者の靴が土をえぐってこのような被害状況になっています。』
なんて地面に収まらない根を見て言っていた。
確かに多少はえぐるかも知れないが登山道、下山道から数メートル、
数十メートル奥に入った地点も全く変わり映えしない状況だ。
あほなオッサンだ。
偉そうなこと言っちゃって。
20年前にこの場所を歩いたときも同じであったのに。
小御嶽神社に到着、お参りしようとしたが閉まっていた。
ぱらぱら登山者が登ってきてはすれ違う。
綺麗な靴にきちんとお化粧し、明るく甲高い声で笑顔で登っていく山ガール。
やたらテンションが高い。
20年前には遭遇した記憶がない。そんなことを考えていたら五合目のお土産物屋が目に入ってきた。
登山者と五合目観光の方々が見えてきた。
『お疲れ様でした、どうぞ休んでいって下さい。きのこ茶で塩分補給して下さい。』
とお茶を差し出してきた。
『富士山きのこ茶?』
しかとして通り過ぎた。
ナベはしっかり頂いている。
お土産屋さんで息子たちの喜びそうなお土産を探す。
そこへ椎茸茶を持った店員さんが近寄ってきてさっきと同じことを言いながら富士山きのこ茶を差し出してきた。
『おいおいきのこ茶かよ』と思いながらも受け取って呑んでみた。
『おいおいきのこ茶かよ』と思いながらも受け取って呑んでみた。
『おいおい、おいおい。美味いじゃんかよ。すげー美味いじゃんかよ。』
すかさず購入した。
息子たちには大小のふじちゃんぬいぐるみを購入した。
富士山須走口五合目は晴れ渡っていて山頂までもスッキリ見渡せる。
『須走口江戸屋』の姿もはっきりと見える。
第二駐車場までの坂を登り車まで戻る。うっすらと砂埃を全身まとい黒い車体が白っぽくなっていた。
暫く車の近くに腰を下ろし富士山山頂方面を眺めていた。
おしまい