~20年連続富士山登山~ Vol.10
~20年連続富士山登山~ Vol.10
『釈迦の割石』を過ぎると前方に登山者の姿は皆無となった。
俺は数年前までは単なる富士山登山好きであったが、
『富士山検定』というご当地検定があるというのを知り、
『富士山検定テキスト』を紀伊國屋で購入した頃から、
富士山の奥深さを知りいろいろと興味を持って学ぶようになった。
『富士山検定3級』は『富士山検定公式HP』にて出題された問題をプリントアウトし
答えをマークし事務局に送り合否の結果が郵送で送られてきた。
『富士山検定2級』は『富士山検定3級』保持者のみに受験資格が与えられ、
そんなこともあり、富士山登山、特にお鉢巡りの中に現れるものに関して自然にウンチクが出てきてしまう。
緩やかな登りに差し掛かると右斜め前方に山小屋が見えてきた。
お鉢巡りももうじき終わりを迎える。
河口湖口と須走口の山頂の鳥居の上から登山道を覗き見るともう登山者の姿が見えない。
河口湖口と須走口の山頂の鳥居の上から登山道を覗き見るともう登山者の姿が見えない。
山頂山小屋の前も午前中はあれほど賑わいを見せていたが今となっては見事に人っ子一人いない。
閑散としていて淋しい。
山頂の山小屋は午前中をもってすでに今シーズンの営業を終了していた。
山小屋の前を通り過ぎ下山道方面、左斜め下に進んでいった。
日暮れは近く、富士山西側には影富士が現れていた。
八合目辺りの高さにヘリが飛んでいる。
何度もまるで遭難者でも捜索するかのように富士山からそう離れていない距離で
行ったり来たりしながら飛んでいる。
ヘリを気にしながらもところどころでシャッターを切りながら下山していく。
今晩も一泊『須走口江戸屋』にご厄介になる。
30分程で『須走口江戸屋』に到着した。
ちょうど20名程の団体客が到着したばかりであったので
『須走口江戸屋』の裏手に回り影富士の撮影をしていた。
お鉢巡り2周したナベは俺の後側で相変わらず元気にしている。
この男のバテる姿は一度たりとも目にしたことがないし、
撮影を続けていると山小屋の子がもう落ち着いたんで大丈夫ですよと声を掛けてくれた。
山小屋に戻ると明日は月曜日だというのにかなり沢山の登山者が泊まっていた。
時刻は19時前、簡単に今日の行程を山小屋の同士に話す。
『お前よくやるなぁ』と半分呆れて笑っている。
『お前よくやるなぁ』と半分呆れて笑っている。
暫くして昨日同様、俺は爆盛カレー、
ナベは爆盛カレーを回避してしまった。
またまた瞬殺で爆盛カレーを平らげた。
流石に一睡もしてない状態が続いているので体を休める事にした。
今晩の寝床は皇太子様が『須走口江戸屋』に泊まられたときに休まれた寝床だ。
流石に一睡もしてない状態が続いているので体を休める事にした。
今晩の寝床は皇太子様が『須走口江戸屋』に泊まられたときに休まれた寝床だ。
全く同じ場所で皇太子様が休まれた
まさにその場所で眠らせていただく。
昨晩以上にゆったり休める。
昨晩以上にゆったり休める。
このまま朝まで寝てしまうだろうなと思いながら横になる…。
どうしたことか全く眠れない。
既に40時間近く眠っていないのに眠れない。
仕方なく気分転換を兼ねて山小屋の外に一人向かった。
仕方なく気分転換を兼ねて山小屋の外に一人向かった。
星が沢山出てたり、綺麗な夜景が広がっていたらどうしよう。
また眠るどころではなくなってしまうと思いながら、
建て付けの悪い引き戸を引くと、
昨日以上の素晴らしい夜景が広がっていた。
視線を空に向けると、雲一つない満天の星空が広がっていた。
暫く夜景と星空を眺めていたが少しして山小屋にカメラと三脚を取りに戻った。
暫く夜景と星空を眺めていたが少しして山小屋にカメラと三脚を取りに戻った。
うつらうつるしているナベに
『やべえぞ夜景と星、外来いよ』
『やべえぞ夜景と星、外来いよ』
と興奮気味に声を掛けるが
『もう少ししたら行きます』と応えたナベは約20分後に出てきた。
その間に俺は一人黙々とシャッターを切っていた。
その間に俺は一人黙々とシャッターを切っていた。
ようやく起きてきたナベはテンションが低い。
俺はテンション高くシャッターを切り続けた。
気付くとカメラのコンパクトフラッシュの残が200枚ほどになってしまったので
明日のご来光と下山のため温存し山小屋に戻った。
山小屋に戻ったのは22時半、寝床に潜り込み待ち遠しい睡魔の訪れを待った。
山小屋に戻ったのは22時半、寝床に潜り込み待ち遠しい睡魔の訪れを待った。
Vol.11へ続く・・・