壬生狼一家

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▲溶岩持ち帰り「犯罪です」▲

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山梨日日新聞

2009年07月16日(木)
溶岩持ち帰り「犯罪です」 富士山ろく
販売目的、コレクション、登山記念…
相次ぐ摘発 氷山の一角レンジャー監視強化


 富士河口湖町の青木ケ原樹海で溶岩を盗んだとして容疑者が相次ぎ逮捕されるなど、富士山ろくから国の天然記念物を持ち去るケースが後を絶たない。監視を続けている富士山レンジャー(自然保護官)によると、今回の摘発は氷山の一角で、販売目的やコレクションで集めたり、登山記念に採取したりする人が多い。植物の盗掘もあり、同レンジャーの一人は「富士山ろくの自然は日本の宝で、荒らさないでほしい。軽い気持ちで持ち帰ると重い罪になる」と、夏山シーズンが本格化する中、注意を呼び掛けている。
 「4万円で販売するつもりだった」。森林法違反(森林窃盗)などの疑いで、富士吉田署に逮捕された、埼玉県の石材販売業飯嶋操容疑者(64)は、クレーン付きの2トントラックで青木ケ原樹海に向かい、総重量340キロの溶岩3個を盗んだ疑いが持たれている。同署によると、昨年6月と同10月にも、20~30個(総重量数トン)の溶岩を持ち出したことを認めている。
 インターネットのオークションでは「溶岩です。良さが分かる方はどうぞ」などいう触れ込みで、富士山の溶岩が出品されている。「国立公園内の溶岩かどうか分からないが、溶岩は人気があり、高く売れている」(同レンジャー)という。
 溶岩のコレクターは少なくなく、今月、樹海内から溶岩11個を持ち去ったとして、同法違反などの疑いで逮捕された、静岡県の会社員遠藤昭彦容疑者(66)も、その一人。同署によると、調べに対して「溶岩に魅力を感じた。自宅のガーデニング用にした」と供述している。
 違法行為は樹海だけではない。同レンジャーの監視活動では、富士山5合目などで登山者や観光客が記念として溶岩を持ち帰る姿が目撃されている。外国人のほか、日本人も少なくなく、違法であることを知らせると「知らなかった」などと話し、もとの場所に戻す人がいるという。
 富士山ろくは富士箱根伊豆国立公園に指定、自然公園法で工作物の新築や改築、土石の採取などを無許可で行うことが禁止されている。特に青木ケ原樹海を含む富士山原始林や富士山5合目以上は、国立公園内で最も規制が厳しい特別保護地区。県環境科学研究所研究員の輿水達司さんは「溶岩は富士山噴火の歴史を探る上で貴重で、学術的な価値が高い。溶岩は再生されることがなく、簡単な気持ちで持ち出してほしくない」と呼び掛ける。
 同レンジャーは、4人体制で富士山ろくを巡回。環境省とともに禁止事項を明記したポスターを張るなどして注意を促している。萱沼進さん(26)は「広大なエリアをすべて監視するのは難しい。多くの人たちに禁止事項を周知するとともに、関係機関との連携を強化していきたい」と話している。

http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/07/16/2.html