壬生狼一家

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『富士入山料どうする』

富士入山料どうする



環境保全
×登山者離れる


 富士山の登山者から入山料を徴収すべきとの議論が出始めている。この夏、過去最多の登山者であふれかえったことを踏まえ、富士吉田市の堀内茂市長が将来的に徴収してもよいとの考えを明らかにし、横内知事も3日の定例記者会見で「十分検討に値すること」と前向きな姿勢を示した。ただ、周辺自治体や観光関係者の間では賛否両論がある。

 今夏、山梨県側の吉田口登山道の登山者は24万人を超えた。富士吉田市によると、登山道ではごみが増えたり、道が崩れてコケ類などがダメージを受けたりと問題も発生している。

 堀内市長は2日の定例記者会見で、「将来的には入山料を取り、環境保全に役立てることも考えるべき」と話した。堀内市長は8月下旬に視察したマレーシアの世界自然遺産キナバル山で、入山者を1日150人に制限していたことに触れ、「静岡を含め周辺市町村と協議して、登山者になんらかの規制を加えてもいいのではないか」と述べた。

 横内知事も3日、「地元の自治体で検討すべき話」としたうえで、「ごみ処理や安全、救急などに入山料を充てるのは当然、検討に値すること」と話した。

 環境省国立公園課によると、個人所有の小規模な山では入山料を課すこともあるが、大規模な観光地で入山料を徴収しているところはないという。

 一方で、環境保全のため登山者から任意の「協力金」などを徴収している山もある。世界自然遺産白神山地では、一部の散策路で協力金を徴収。乗鞍岳の五色ヶ原(岐阜県高山市)では、入山をガイド料や環境保全費を含んだ有料の散策ツアーの1日200人程度に限定し、湿地帯の植生保護などに役立てている。

 富士山の周辺自治体の意見は様々だ。

 富士河口湖町の渡辺凱保町長は「登山者の増加を考えれば、研究するべき」と主張。吉田口に次ぐ登山者が訪れる富士宮口(年約7万人)を抱える静岡県富士宮市も「世界遺産登録を見据え、対応しなければならない課題の一つ」と前向きだ。

 一方、須走口の同県小山町は「登山者を増やそうという地元の努力に水を差す結果になりかねない」と消極的。御殿場口の御殿場市は「(富士吉田市は)登山者が多いから強気なのでは」と話す。

 吉田口の山小屋経営者の間では「スバルラインのマイカー規制同様、環境や登山者の管理のための入山料は良いこと」と話す経営者もいれば、「スバルラインの通行料と二重の負担になる。登山者が増えたのにまた、離れてしまうのではないか」と反対する声も根強い。

(2008年9月4日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20080903-OYT8T00812.htm

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「富士山登山客からの入山料検討」富士吉田市
                                  2008年9月4日16時48分

 増え続ける富士山の登山客から入山料を徴収するという構想が、地元首長らから浮上している。入山制限に加え、ごみ処理など行政需要に見合う一定の受益者負担を求めるのが狙いだが、観光業者らからの反発も予想されている。

 入山料は市町村単位で制度化することができる。山梨県富士吉田市の堀内茂市長が2日の記者会見で、「(環境対策として)入山料を取ることも検討したい」と意欲を示した。今年夏の富士山への登山客が過去最多の約24万7千人に達したが、ごみの放置など環境負荷が増していることを踏まえた。「周辺市町村と(導入是非を)協議しなければならない」とも述べた。

 3日には横内正明・山梨知事が会見で、「ごみ処理の問題や救急の問題で、地元市町村に大きな負担がかかっている」と述べ、支持をする考えを示した。「十分検討に値する話。地元市町村は、静岡県(側)とも一緒に検討してもらいたい」とした。

朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY200809040049.html

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富士山:夏山シーズン、入山者過去最高 富士吉田市長、入山料に前向き /山梨
 ◇自然保護で--「市条例で可能」周辺自治体と相談へ
 富士山の夏山シーズン(7月1日~8月31日)の登山者が過去最高を記録したことに対し、富士吉田市の堀内茂市長は2日の記者会見で、歓迎の意向を示すとともに、自然保護に向けた入山料の導入に前向きな姿勢を示した。8月に訪れた世界遺産のマレーシア・キナバル山では、1日の入場者を150人に制限していると紹介したうえで、「入山料なら市の条例で導入が可能。周辺自治体や静岡県側の自治体とも相談して、今後検討していく」と述べ、積極姿勢を示した。【田上昇】

 市によると、夏山シーズン中の山梨県側の富士山登山者数は24万7066人に達し、記録を取り始めた1981年以来過去最高を記録。堀内市長は「景気低迷で各地の観光地が落ち込んでいる中、富士山では逆に観光客が増えている。地元の活性化に向けて、精神的に励みになった」と喜びを示した。

 一方で、堀内市長は登山者の増加は富士山の自然破壊につながりかねないとの懸念を表明。「自然保護のために市はそれなりに支出しており、投下資本を回収するという面からも、将来的に入山料の導入を検討すべきだ」と述べた。富士山の入山料については、アルピニスト野口健さんも、自然保護のため導入の必要性を訴えている。

 会見ではまた、無理なペースによる登山が増えていることが取り上げられた。市富士山課によると、富士山頂を目指して夜中に登山し、ご来光を拝んだ後すぐに下山する「弾丸登山」と呼ばれるハードスケジュールの登山が目立つという。同課は「実質的な行程は半日ほどで、具合が悪くなる人が多く出た」としている。

毎日新聞 2008年9月3日 地方版

http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20080903ddlk19040004000c.html

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