富士山登山2008年 ~御殿場口からの挑戦~ 第三話
~ 第二話よりの続き ~
第一話から読む・・・・・
↓
http://blogs.yahoo.co.jp/miburo_snow/25725363.html
冷や汗か?
ただの汗なのか?
なんだか分からないがなにしろ汗が流れ出てくる。
足には完全にマメが出来ている。
登山靴には砂が入ってき始めている。
しかし真っ暗なのでそんなもの気にしている余裕はない。
ひたすら下山。
時折、白い杭と白い紐が視界から消える。
集中して意識しないと見失いそうになる。
見失ったら終わりだ。
非常に精神状態は緊迫し、『大砂走り』を楽しむ余裕は微塵もない。
本当はこの豪快な『大砂走り』を爽快に下山していく姿を想像していた。
まさかこのような状態で『大砂走り』を下って行くとは思いもよらなかった。
現実と向き合いながら集中だけは切れないように一歩一歩確実に下山していく。
プロトレックの標高も少しずつしか落ちていかない。
時間だけが過ぎ去っていく・・・・
闇夜に足を取られ転ぶ、ポケットの中身や、ザックの中身が出てやしないか心配だ。
そろそろ駐車場の灯りが見えてきても良さそうなのに
ガスに覆われているのか見えてこない。
車まで無事辿り着くことが出来るのか不安は消えていない。
人は私以外には誰一人いない状況は変わっていない。
登山者の気配も全くしない。
疲労の蓄積と精神的重圧に疲れが一気に出始めた。
足はプルプルと小刻みに震えている。
喉も渇いてきた、残り300mlの水筒には手を出せない。
万が一、遭難した場合に備えて我慢できるところまで我慢しなければいけない。
口の中は砂でザラザラしているし、唾も飲み込めないほど乾いている。
車まで何としても早く戻らなければいけない。
標高1600位まで下がってきた時、
前方にたった一個ではあるが外灯のような光が見えてきた。
黄色い光が見えてきた。
まだ駐車場の光なのか確認は取れないが、
下界に明かりが見え始めると力が出てくる。
しかし依然として視界は数メール先まで薄っすら見えるほどで
数十メートル先などは暗闇だ。
下山道の斜度も緩やかになりだし、『大砂走り』から砂質も変り
今まで深い砂地だった下山道は、浅い砂の下山道へと変った。
急に左手に光が見えた。
行きに確認した自動販売機の光だった。
遂に戻ってきた、駐車場は数100メートル先にあるのだ。
ワクワクしながら下山していく。
間違いなく外灯は駐車場を照らす外灯であった。
足場だけ気をつけながら進む。
目に入ってきたのは大きな駐車場に一台だけ私のステップワゴンが止まっている光景であった。
こうして私の『御殿場口』からの富士山登山は終わった。
どれくらい厳しい『富士山登山』だったか、
どれくらい心細い『富士山登山』だったか
今日という日の『御殿場口富士山登山』を振り返りながら
残り300mlの麦茶を一気に飲み干した。
時は19:30、登山靴から足を引き抜き、靴下を脱ぎ、サンダルに履き替え
汗で濡れたシャツを着替えた瞬間、
私の 『 2008年富士山登山~御殿場口からの挑戦~ 』 は終わった。
一筋縄では行かなかった『 富士山登山道 “6道” 完全制覇 』
最後にごついドラマが待っていた。
暗闇の中、全く姿が見えなくなっている富士山があろう方向を見ながら、
苦笑いしてしまった。
もう来ないと思うぜ御殿場口なんて思いながら『御殿場口』の駐車場を後にした。
第一話から読む・・・・・
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冷や汗か?
ただの汗なのか?
なんだか分からないがなにしろ汗が流れ出てくる。
足には完全にマメが出来ている。
登山靴には砂が入ってき始めている。
しかし真っ暗なのでそんなもの気にしている余裕はない。
ひたすら下山。
時折、白い杭と白い紐が視界から消える。
集中して意識しないと見失いそうになる。
見失ったら終わりだ。
非常に精神状態は緊迫し、『大砂走り』を楽しむ余裕は微塵もない。
本当はこの豪快な『大砂走り』を爽快に下山していく姿を想像していた。
まさかこのような状態で『大砂走り』を下って行くとは思いもよらなかった。
現実と向き合いながら集中だけは切れないように一歩一歩確実に下山していく。
プロトレックの標高も少しずつしか落ちていかない。
時間だけが過ぎ去っていく・・・・
闇夜に足を取られ転ぶ、ポケットの中身や、ザックの中身が出てやしないか心配だ。
そろそろ駐車場の灯りが見えてきても良さそうなのに
ガスに覆われているのか見えてこない。
車まで無事辿り着くことが出来るのか不安は消えていない。
人は私以外には誰一人いない状況は変わっていない。
登山者の気配も全くしない。
疲労の蓄積と精神的重圧に疲れが一気に出始めた。
足はプルプルと小刻みに震えている。
喉も渇いてきた、残り300mlの水筒には手を出せない。
万が一、遭難した場合に備えて我慢できるところまで我慢しなければいけない。
口の中は砂でザラザラしているし、唾も飲み込めないほど乾いている。
車まで何としても早く戻らなければいけない。
標高1600位まで下がってきた時、
前方にたった一個ではあるが外灯のような光が見えてきた。
黄色い光が見えてきた。
まだ駐車場の光なのか確認は取れないが、
下界に明かりが見え始めると力が出てくる。
しかし依然として視界は数メール先まで薄っすら見えるほどで
数十メートル先などは暗闇だ。
下山道の斜度も緩やかになりだし、『大砂走り』から砂質も変り
今まで深い砂地だった下山道は、浅い砂の下山道へと変った。
急に左手に光が見えた。
行きに確認した自動販売機の光だった。
遂に戻ってきた、駐車場は数100メートル先にあるのだ。
ワクワクしながら下山していく。
間違いなく外灯は駐車場を照らす外灯であった。
足場だけ気をつけながら進む。
目に入ってきたのは大きな駐車場に一台だけ私のステップワゴンが止まっている光景であった。
こうして私の『御殿場口』からの富士山登山は終わった。
どれくらい厳しい『富士山登山』だったか、
どれくらい心細い『富士山登山』だったか
今日という日の『御殿場口富士山登山』を振り返りながら
残り300mlの麦茶を一気に飲み干した。
時は19:30、登山靴から足を引き抜き、靴下を脱ぎ、サンダルに履き替え
汗で濡れたシャツを着替えた瞬間、
私の 『 2008年富士山登山~御殿場口からの挑戦~ 』 は終わった。
一筋縄では行かなかった『 富士山登山道 “6道” 完全制覇 』
最後にごついドラマが待っていた。
暗闇の中、全く姿が見えなくなっている富士山があろう方向を見ながら、
苦笑いしてしまった。
もう来ないと思うぜ御殿場口なんて思いながら『御殿場口』の駐車場を後にした。