壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

『俺と富士山との出会いは・・・』

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俺の人生最初の富士山は大学一年時の夏休み。





普通電車を乗り継いで片道2時間半強だったかな
高崎線小田急線で着いた駅は足柄駅
そこからローカルバスで静岡県駿東郡小山町の『江戸屋旅館』へ。
到着は夕方、少年野球の合宿で賑わいを見せていた旅館だった。

不慣れな遠出に疲れ部屋に通されちょっと休んだ。


少し涼しくなってきた頃、あたりの散策に出かけた。
近くに富士スピードウェイがあるからか当時の走り屋の車が連なって走っていく。
シルビア、レビン、トレノ、シビック、RX7、CRX・・・・

すぐ近くに神社なんかもあり明日から始まる期待と興奮を抑えながら
心も身体もクールダウンさせていた。


日も暮れ掛けた頃、旅館に戻ると少年野球の合宿に来ていた少年と同伴の父母が
宴会場に集まって騒いでいる。子供たちにとっての合宿は非日常が溢れる刺激的な時空間である。

そんな光景を横目に2階にある自分の部屋への階段を上がって行った。

少しすると夕飯の用意が出来たと仲居さんが部屋まで呼びに着てくれた。
付いて行くとあの少年たちの宴会会場の隅っこに用意された小さなちゃぶ台に通された。

なんとも。なんとも・・・・・。



少年たちは大騒ぎで夕食をがっついている。
俺もあんな時あったなぁ・・・って、未成年な自分が大人目線で少年たちを見ていた。

やがて自分の夕食も運ばれてきた。
そうこうしているうちに少年たちは食事を終え、大騒ぎのままお風呂へと向っていった。

残された大人たちはこれから始まる本当の宴会にわくわくしているように見える。
追加のビールが運ばれ、皆楽しそうに飲みはじめた。


『酒かぁいいなぁ』


そんな時赤い顔した少年の母親と思われるおばさんが傍に来て

『一人で来てるの?!』

『はい』



えっ?!という表情だ。



そりゃそうだろう富士山麓の旅館に19歳の若者が一人で泊まっているわけだから。

それにしても楽しそうに呑んでいる。羨ましい。




部屋に戻り、何もやることがないのでテレビを点ける。
田舎(地方)って言うのはチャンネルが違う。チャンネルが違う時いつも遠くに来たなぁって思う。
番組の放映時間すら違う。
少し見てなんだかテンションが上がってくるのを感じ部屋を出た。


旅館の外は既に真っ暗、風も心地良く自分の住む埼玉より数度涼しい。
だいぶ歩き回った後、近くのお店でお菓子やら酒やら買って約1時間半後に部屋へと戻った。


酒がすすむし実に美味い。自分のペースで飲む酒というのは本当に美味い。
こんなのどかな気分で飲む酒は初めてじゃないかな。

日頃は『体育会系蹴球部の一年生』
2回に1回は記憶が飛ぶ。
西武池袋線飯能駅前ロータリーで全裸になりアスファルトに絡み付いていたこともあった。
まさに浴びる酒しか殆ど呑んだことがなかった。『体育会系の一年生』の夏。


窓から“ひやっ”とした心地良い風が部屋に吹き込み
ほろ酔い気分の俺を包む。



夏の夜に囀る虫の声を聞きながら
いつの間にか眠りに就いていた。


明日のBLOGに続く・・・・