壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

漢の富士登山道~珍道中~ ≪第7回≫

だいぶ昔ことにはなるが、大学生だった頃に富士山八合目の山小屋で2年働いたことがあった。

期間は7月中旬から8月末までの約45日間であった。

主な仕事は山小屋に来られるお客様の接客応対や、食事を作ったり、ベットメイキングやらそれ以外の雑用なんかも多かった。
山小屋の仕事の中で一番きつかったのは今も忘れないトイレ掃除。
これは本当に辛い。

今の山小屋のトイレはほぼ全てバイオトイレ。これは菌の力で汚物を分解するわけなんだけど現在は洋式トイレに水洗までも完備している。

しかし当時のトイレといったら、和式の深穴式(通称ボットン)な訳で、それはそれは大変な臭いだったし、深穴式の穴を外れた汚物で床が汚れ、滑る。

それをサンポールとブラシ片手にゴシゴシするこする。
サンポールのキツイ酸の鼻を突く刺激臭と、汚物の悪臭で半泣き状態で毎日のように掃除してた。


余談だがその汚物はいったいどうなるの?どう処分するの?

答えは簡単、夏の山開きシーズンが終わると各山小屋はその汚物を富士山の斜面に全部流す。
そのため昔の富士山は所々に白い川のような後が残っていた。あれは何って思った登山者も多かったここと思う。それは前年までに汚物と一緒に流れ出たトイレットペーパーだったわけだ。

その為に富士山はユネスコ世界遺産に登録出来ないでいたなんて言われてたよね。

まあトイレの話はこれくらいにしてそのほかの仕事はというとお客様を5合目まで迎えに行き自分の山小屋まで連れてくる仕事だった。多い日は5合目まで3往復くらいしたこともあった。

そんなある日、山小屋で眠っていると不意に起こされた。日は既に昇っていたが昨晩は夜番だったので本来昼前までは眠っていられる。何故起こさせたかものか訳分からずに起床。                                                   次回に続く・・・