壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

富士山登山2007 ~馬返しからの挑戦~ 第12回 【最終回】

『馬返』に全員揃った。しばらくの間、この富士山登山を回想しつつ話しが続く。でも良くやった。全員が山頂に立ち、全員がこの夏最大の思い出を作った。この思い出は一生彼らの脳裏に残り、またこの富士山の経験は語り継がれていくことだろう。我々に降り注がれる日差しは強く、夏の形相を取り戻していた。


帰り支度をはじめ、登山靴と靴下を脱ぎ、いつもの靴に履き替える。足に豆を作っている者、足の親指の爪が黒く内出血を起こしている者、靴擦れを起こしている者、様々な状況になっている。それでもみんなは笑顔だ。『逆境小娘』と『親指内出血奇声児』は特に足の異変に大騒ぎだ。やはり『奇声児』は大袈裟に振舞ってみんなに足の状況を確認させている。『オヤジ ベンジャミン』は悲痛な表情の中にも満足気な表情を浮かべ、ただ黙って帰り支度を整えている。一つ一つの動きは鈍い。


とりあえず車に乗り込むと一路『北口本宮富士浅間神社』を目指す。『北口本宮富士浅間神社』までは車で10分ほどの距離だ。窓を開けると、そこから吹き込んでくる風はすがすがしい風だ。疲れが癒える風だ。渋滞もすれ違う車も殆どなく『北口本宮富士浅間神社』の駐車場に到着した。しかし、駐車場は満車、大駐車場まで満車で止められない。今日は日本三大奇祭の一つ『火祭り』がここ『北口本宮富士浅間神社』でとりおこなわれる。地方ナンバーの車や、大型バスがズラリと並ぶ。
仕方なく神社横に路駐し、『北口本宮富士浅間神社』に富士山登山の無事を報告し、感謝の意を伝える御参りを行なう。境内は人また人だ。
『火祭り』の開始時刻は夕方のはずなのに15:00の今から境内は人で溢れかえっている。テレビ局も数社取材に訪れており、カメラの数は夥しい。新聞社のカメラマンや、外国人カメラマン、アマチュアカメラマンなど高級なカメラで既に場所取りも済ませ祭りの開始を待っている。

『火祭り』を見学したい強い気持ちがあるが先が控えているので先を急ぐこととする。


『北口本宮富士浅間神社』を出ると次は『溶岩温泉』を目指す。小さな温泉で5人も入ると圧迫感を感じる温泉だ。しかし毎年富士山登山後はここで体を清める。湯船は溶岩で作られており、湯船の数は二つ、片方は一人ないし二人しか入れないほどの大きさでもう片方の湯船は4、5人は入れる。溶岩温泉に到着すると、既に車が何台も止まっている。今日は混んでいそうだ。車を止め、まずは『奇声男児』に様子を聞きに走らせる。戻ってきて様子を聞くと約10人入っているそうだ。よくあの広さでよく10人も入っているものだ。しばらくの間、待機する。
女性用は人もいなそうなので『逆境レディ』は先に風呂に向った。10分ほど経ったであろうか『奇声男児』と『肉汁男爵』を先鋒として風呂に向わせた。私は待っている時間に絶えられなくなり外に富士山の湧き水が流れ出ているところで腕、足、顔、手を流す。ここの水はあの有名なパナジウム水だ。かなり冷え切った水で気持ちがいい。顔なんかはつるっつるになる。

更に10分ほど経過した、第二陣『笑顔な山男』『オヤジ』が風呂に向う。第二陣が到着した頃、男湯の窓から、大きな声が聞こえてくる。

『風呂空きましたよ、今は私たちと一人入っているだけです!!もう大丈夫っす!!』声の主はもちろん『奇声男児』である。

私も風呂に向かった。20分くらい浸かって砂まみれの身体と、疲労も和らいだ。このひとっ風呂がたまらない!!最後に風呂を上がった私はロビーへ向う。ロビーのソファーにはすっきりした顔の5人衆が休んでいる。揃って日焼けの跡が見られる。みんないい顔じゃないか。今回の富士山登山をやりきった表情だ。あまりモタモタしていると帰宅時間に響くので15分くらい休んだ後、『溶岩温泉』を出発した。時刻は16時15分。

渋滞の恐怖に怯えながら河口湖ICから高速へ。カーナビゲーションが作動しないためこの先の渋滞が分からない。ただ今はガラガラで思い通りのスピードで大月JCへ向う。しばらく走ると渋滞情報の電光掲示・・・『八王子まで3時間以上』と出ている。アクセルの量を弱める。
『さぁて何処から渋滞だ覚悟は出来てるぞ。』しかしまだスイスイと進む。通常は東京方面、名古屋方面の分岐を前に数キロの渋滞が待ち伏せている。が、分岐を過ぎても流れる。名古屋方面から来ている車とも合流する。まだ流れる。これはもしかするとスイスイ行けるのかと思ったとたん急に渋滞の最後尾に取り付いた。本当に3時間以上八王子まで掛かってしまうのか?半信半疑のまま渋滞の中トロトロと進む。

車内の会話は

『あそこのバスガイドが可愛い!!』『いや可愛くない!!』とか
『あのドライバーDSしながら運転している!!』『してねぇよ~!!』・・・
話の主は『山男』と『男児』だ。その他は寝たり起きたり話に加わる元気がないようだ。延々渋滞は続く。・・・腹が減ってきた。

みんなの元気は時間と共に弱くなってきた。ここはあれでしょってことで『大塚愛』の登場だ。カーステレオから大塚愛の曲が流れ出す。しかし今一のってこないではないか?!これじゃいけない!!

ではみんなで盛り上げれる『ウルフルズBEST』にチェンジだ!!。

しょぼいボリュームで流しても盛り上がらない!【12】のボリュームを【22】まで回す。

◆ここで説明しよう!!◆-----------------------------------------
皆が搭乗するこのステップワゴンには強力なサウンドシステムを搭載する。ヘッドユニットアゼストを中心に、フロントにはアルパインのスピーカーとツィター、リアにはケンウッドのスピーカー、ウーハーは1200kwを二発に、アルパインのアンプ。
つまり俗に言う『ブーミング車』というわけである。
                                       ◆------------------------------------◆

ボリュームが【15】を越えると低音が後方に詰まれたウーハーから地響きと共に伝わる。
『バンザイ~好きでよかった』『借金大王』『ガッツだぜ!!』『それが答えだ!』『かわいいひと』『明日があるさ』『バカサバイバー』などなど、みんなシャウトしながら歌っている。ここも中心は例のふたり『山男』と『男児』だ。この二人はハモリなども見せえる。『逆境女』もカラオケ大好き!!負けずに声を張る。ノリノリだ!!渋滞中の周りを取り囲む車からは”変な視線”を感じる。でも良いのだ、ノリノリなのだから良いのだ!!

日は完全に落ちた。いったいいつになるんだ渋滞が解消されるのは。

談合坂SAには珍しく『満車』のマークが出ていない。しかし談合坂SAは一度入ると出るのに半端ない時間を要することがある。4年前には出るのに1時間以上掛かったことすらある。ここはPASSだ。トイレはまだ我慢できそうだ。

じわじわ進みながら時間は19時になろうとしていた頃、小仏トンネルに差し掛かった。お決まりの電光掲示が出ている『トンネル内渋滞解消』小仏トンネルは可笑しなトンネルだ、このトンネルを抜けるといつも渋滞は解消されているのだ。特にその先に出口があるわけでもなく自然と渋滞は解消されるのである。
渋滞のままトンネルに差し掛かる。まだ渋滞している、徐々にトンネル内の車のブレーキランプが減っていく。スピードメーターも20kmから上がりだす。いつの間にか70kmの達している。トンネルも終盤に差し掛かると80kmを超えて渋滞は消えてなくなっていた。その勢いはその先継続されていく。

八王子JCは7割がた直進していく中、我々の車は圏央道へと左にハンドルを切る。渋滞は全くない。途中、外灯がないのでないのでやや暗く感じるが車も少ないので走りやすい。

あと20分ほどで圏央道鶴ヶ島の出口に到達するので今日の夕飯を食べてから帰るのか?、食べずに帰るのか?声をかける。みんな腹ぺこ、食べてから帰ることになった。全く渋滞とは出会わず圏央道鶴ヶ島ICを下りる。今晩の夕飯は『はながさ ホワイト餃子』に決定。高速を下りて5分ほどの距離だ。駐車場は満車であったがすぐに一台分の空きが出た。ゾロゾロと車を降りるが『オヤジ』は歩くのが一杯一杯の状態である。すでに疲れは全身に行き渡っている。そのほかの富士山登山を満喫しきった仲間も筋肉痛にやらていた。到着は19時半を少し回っていた。

6人掛けのテーブルに腰かけると皆やたらと注文する。我々の前のテーブルは『ラーメン』『餃子』『ライス』『シュウマイ』などで埋め尽くされ空きスペースは一切ない。テーブル一面を覆い尽くした。疲れていても空腹の為食べる食べる。当然『肉汁男爵』は大盛りだし、『野生男児』と私は”ラーメン&餃子&シュウマイ”の馬鹿喰いだ。このお店は焼き餃子が最高だ。
はながさホワイト餃子⇒ http://www.white-gyouza.co.jp/branch/hidaka.html 
 ※ 画像は旧店舗、今はちょっと場所も変わり立派になっています


ホワイト餃子』で満腹になった6人は昨日の朝集合した駅まで車で向う。所要時間は30分ほど。


この富士山登山ももうじき終焉を迎える。昨日の朝からいったい何時間一緒に過ごしてきたのだろう。たったの一泊二日の中に記憶は凝縮されている。辛かった思い出、楽しかった思い出どれも貴重な思い出となりこの6人の富士山登山者はいつまでも持っていくのだろう。同じ時は二度と帰ってこない。この6人で富士山登山に向うことももう二度とないであろう。

6人だけの記憶にだけ2007年、~馬返しからの挑戦~は生き続ける。


遠くに駅の灯りが目に入ってきてしまった・・・・・。

・・・おしまい。

また只今、富士山登山2007 ~馬返しからの挑戦~ 出演者の投票を行なっています。是非一票投票して行って下さい。ご協力お願い致します。