壬生狼一家

Yahoo!ブログから引っ越ししてきた新参者です。宜しくお願いいたします。

富士山登山2007 ~馬返しからの挑戦~ 第2回

次に目指すは五合目『佐藤小屋』まで標準所要時間45分。今までで最も長い所要時間であるので休憩時間も長くとる。標高も2010メートルと、遂に2000メートルを越えてきた。十分水分を補給し、しっかり休息を入れる。

疲れが軽く取れたところで五合目を目指し出発だ。幾分皆の足取りも軽くなったように思える。でも、ここまで私以外の富士山登山者はシャッターを切った回数が少ない。これでは思い出が形にならないと私は只管シャッターを切る。今この瞬間を撮り損ねないために。
何故なら一枚の何気ない写真が思いもよらない大切な一枚になる事を私は知っているから。

この辺りから木々の背の高さはかなり低くなり、枝が横に伸び始め登山道を時々邪魔する。この辺りの一ヶ月前の状況は虫地獄と化していたが今日は虫がいない。早秋?・・・・。

まだまだ皆頑張ってまずまずのペースで登坂していく。景色も面白みが出てくる辺りだ。樹海の木々の間からは下界の世界が姿を見せる。『井上小屋』の前を通ると既に山小屋仕舞いの準備に入っていた。
山小屋の方は『よく馬返から登って来たね。・・・今日の山は凄く混んでいるって!今ちょうど娘が登ってるとこなんだ。』

既に覚悟はしている。山頂から七合目付近までの富士山登山者渋滞。年に何度かそういう日がある。まさにそうなる日が今日であることの予感はある。8/20までマイカー規制が行なわれており、マイカー規制明け最初の土曜日、日曜日が我々のスケジュールと合致していることも混雑を助長するだろう。

しばらく歩くと『佐藤小屋』が見えてきた。『佐藤小屋』周辺には数名富士山登山者が休憩をとっている。下界が綺麗に開けて雲海の合間からは山中湖も姿を現している。時は15時を回っていた。軽く食事を取る。連れの作ったおにぎりを皆に配る。人数分全部で6個作ってあった。中身は非常に嬉しい塩鮭である。この心地良い塩分が登山者の疲れを癒す。20分ほどの休憩をとったが意外に疲れの色が消えている。皆並んで下界の景色を楽しみながら疲れは自然と弱まっていた。『佐藤小屋』では金剛杖を3名が購入、これで全員金剛杖を持つこととなった。やはり富士山登山の杖は金剛杖だ。

『佐藤小屋』から富士山の頂上方面を見上げる。
『げっ!!』

予想を超える富士登山者渋滞が目に入ってきた。遥か上から七合目付近まで登山道には登山者がぎっしり埋め尽くしている。富士山登山の人気は毎年高まってきている気がしてならない。ことに本年はTV番組『出没!アド街ック天国』で8/04日にオンエアされた『富士山ベスト30』が及ぼした影響も強いそうだ。

皆の疲労もだいぶ抜けた頃佐藤小屋を後にする。ここまで我々は一般の登山者とは登山道で会うことがなかった。しかし六合目の合流地点の安全指導センターには沢山の富士山登山者が河口湖口から上がってきている。我々6人の世界の『富士山登山』はあと30分で終わりを告げ集団に飲まれることとなる。先月は綿のようなものを身に付けた木が沢山あり纏わり付かれ困惑したがそれも姿を消していた。軽やかに登りきると目の前は大きく開け沢山の団体登山者、個人登山者などが休憩中だ。

ここからは普通の富士山登山となる。上空に雲なし、風弱し、絶好の登山日和には何ら変わりはなかった。

やっぱりテルテル坊主効果かな、こんな天気のいい日に富士山登山したのは5~6年ぶりだ。
一人の脱落者も出さず山頂を極めるための富士山登山第二章が今から始まろうとしている。

次回へ続く・・・